ホスピスボランテイア講座2

末期ガン患者さんへのヒーリングボランティアから学ぶもの

                     講師  尾関文恵さん(ナチュラルヒーラー)

                     <2003年9月7日NPO法人JHRA関西支部9月例会講演より

ガンとは闘わず楽しい入院生活を。一番大切なのは笑うこと

● 自分自身が6年前がんに罹った。その時は自分がどこまで悪いのかとても気になってくるが、ガンと戦うよりガンを受け入れて治療しようと思った。長い入院生活になるので、楽しく過ごせるように決めた。友人の励ましと応援も力になった。一番大切なのは笑うこと。常に笑っていようと決めた。自分がどういう状態であろうと笑っていようとやっていると、気持ちの変化が起こってきた。病院にはガンの仲間が沢山いるが、冷静に見ている自分がいる。そのころ気が付いた。常に元気にお話ししたりしている人は、再発しても元気だった。逆にそうでない人、悲観的な人は、どんどん苦しくなっていく。そういうのを見ていると、やはり楽しんでない人、苦しがっている人が、どんどん悪くなるのを見てきた。私は余命2年と言われたが、友人の援助もあり西洋医学や家族の援助にも包まれてやってきた。いまはぴんぴんしている。

● ボランティアのきっかけは、当時31才の女性がいた。自分は元気な元にもどれない、ガンを受け入れてやっていこうという姿勢だったが、ふとした悲しみが起こったりする。接していると、この人はいっぱい泣きたい人だと思った。この人は、入院が長引き、仲間が退院していくと元気が急になくなり悪くなっていった。心の持ち方で、こんなにすぐ悪くなっていくことに気が付いたので、彼女に会いに行くようにして関わりが始まった。

● 行ったらまずヒーリングをする。そうすると手が温かくなったり気持ちがよくなったりする。どこか痛い?と聞くと、ここというのでそこをヒーリングした。ヒーリングをすると笑いも出てきた。仲間がみんな退院してしまったので寂しかったのだと思う。強がりな面もあるので泣かなかったが、最後に「本当は長く生きたかった」と言っていた。そんなことで彼女は、私が会いに行くと元気になる。一番悪くなったのは2月ころ。そのころ1時間くらいレイキをしたが、痛い痛いと訴えていた。彼女はそれを乗り越えてきたが、ガンの人はとても寂しいので寂しがらせてはいけない。どこか孤独がある。孤独を持ちながら自分の出来ることをしていくようにした。治そうとかは思わないで、とにかく楽しんで貰うように心がけた。とにかく笑わせると元気になるんですね。ひとときでも笑っているときは、癒されて幸せを感じます。とにかく、私の出来ることは楽しませてあげること。来てくれてよかったと喜ばれると、来て良かったと思う。その人の口コミで、「いま○○さんが具合が悪いからきてくれない」と電話がかかってくるようになる。

● とにかく、「笑わせる」「話をどんどんしてもらう」が大切。こういう中で、自分が何故ガンになったかが、だんだん解ってくるようになる。根本原因がわかると、どうしたらよいかなど自分でわかってくるようになる。自分からそれを言わない人もいるが、それは無理に話させなくても良い。そういう関わりやヒーリングをしていると、亡くなる運命であっても最後は安らかに亡くなられるように思う。友人の看護婦も現場を見て、そのように言っている。無理をしないで、相手の言うことをよく聞いてあげることが必要。病名でなくその人との交流をすると良いヒーリングができる。

● 例えば重病の患者さんをヒーリングすると跳ね返ってきませんか?ぴりぴり痛いのとか、邪気とかいわれるものをもらうとか。ヒーラーさんは時々そういう話をされますが、私の場合はそんなことはなにも考えていません。ガンだからとか、病名は医者が勝手につけるもの。その人の命は、その病名そのものではない。こころと身体と魂はつながっているので、例えば胃ガンの患者さんはすべてが胃ガンではないということ。その人の命は輝いています。その人にヒーリングをしてあげるということは、胃ガンにヒーリングをするだけでなく心と魂に楽しくなっていただいて、命に癒しがおこりますようにと思いながらヒーリングをすること。ヒーリングをしていると自分も気持ちよくなってくる。そこまでいけばヒーリングは成功です。それを痛みが返ってくるとか、邪気とかいうことでヒーリングをしなかったら、何のためのヒーリングかということになる。自分が気持ちがよくなったら、患者さんもとても気持ちがよくなる。病名でなく“その人”との交流をすると良いヒーリングができると思う。これは私自身の体験から。

ヒーリング時に気を付けること

● ヒーリング時に気を付けることとして、なるべく患者の現実的なもの、痛みなどや今どんな状態ですか?と聞くことが大切。余命がどうとかは聞かない。病気の状態をきくことは大切。医療側には、骨転移があるかないかを聞いておいた方が良い。これはそこにヒーリングをしない方がよいため。あとは、手当をして痛みがないことに気を付ける、気持ちがよいことを心がける。ヒーリング中にマッサージなども行うが、さすったりしていると患者によっては「もっと強く」と言う人もあるが。アロマなど使う場合は、臭いがだめな人もいるので気を付ける。臭いは大丈夫?と聞くことも大切。
● ヒーリングの目的は、患者さんに触れること。気持ちよい状態で最初につらそうなところに手を当ててあげること。今日はどう?とか今日は大丈夫?とか聞いてあげて、調子が悪いときは、そこに最初に手を当ててあげる。表情・様子を見ながらタッチしていくと表情がかわってくる。
● ヒーリング時に、治してあげるとか、癒してあげるという思いこみは不要。なんとかしてあげようと思ってヒーリングしたときは、かえって結果が悪かったりするように思う。今日は体調が悪いから話だけで良いと言うときは、無理にヒーリングしなくてもよい。また、患者によっては私ではない方が良い場合がある。これは相性の問題。その時は別の人に頼んだりする。
● 患者さんへのヒーリングの時は、家族との関わりも生じる。家族の覚悟もあるが心の悲しみがあったりするので、コミュニケーションが大事。自然な形で関わりをもつことが必要。ただし、医学的な問題があれば必ず医師や看護師に相談する。家族は切羽詰まっていたり、夜寝られない状態もあったりするので、一緒にヒーリングをしてあげればよい。

ガン患者のヒーリングとそれ以外のヒーリングは変わらない

● 言いたいけれどいえない部分がある。その部分に触れて(タッチ)あげると心が開いてくる。このことはガンも同じ。1つの例として、30代の男性で、勃起不全でこられた。アロマヒーリングをしたが、氣を入れても入らない状態。相性が悪いかなと思ったが、2回目の時、何か変だな、ハートの裏(背中側)が堅い、何か訴えたい様子だったので聞いてみると、2〜3年前のショッキングな話をし出した。身体にタッチすると、つらいんだなと解る。話をしたらハートの部分が柔らかくなった。親子の関係が厳しい家庭に育って潜在意識に溜まっていた。トラウマになっているということ。これがヒーリングで変わってきた。このことで不全は改善した。根元に気付いてそれを解ってくれる人がいると、自分の気づきと癒しが出来ていく。

● 自律神経失調の方が逆にしんどい場合がある。否定的になったり手首を切ったりする。病気になって誰かがかまってくれると依存が生じる。ガンの場合、氣や血液の循環が滞ってくるとガンになると言われる。こういう時は、食べ物も必要だが笑ったりして常に氣を綺麗に保つことが必要。末期ガンの人は、やはりつらい状態があり、みているだけでしんどい場合があるが、その人が少しでも楽になれば喜びが得られる。出来るだけ愛情をもって触れてあげると安心される。

気づきについて

● ある患者さん、全てを隠す人がいたが、子供3人いるのに1人しかいないとか、いつも具合が悪い状態だった。病院スタッフ内の評判もこの人は頑なな患者さんとの評判だった。話をしていくと料理のメニューを見て、どちらがよいなど何気ない会話をしていたが、次の日急に病室の花の水を代えていた。それまではそんなことはしなかったのに。それでびっくりした。この人、いつもベッドでげーげーとしていた。隣のベッドだしと思って話を仕掛けただけなのに、それがきっかけで急に元気になったりする。何となく昔の恋愛の話とかしていくと、だんだん元気になってきた。今まで多分不可能と思われる元気さになっていく。誰がかかわってもだめだった人だが、私が話しただけで変化したのは、多分相性が合ったのではないかと思っている。自分が経験がなくても、理解をしてあげることが心を開いていく。たわいのない話の中にポイントがある。日常会話からぽろぽろ出てくる心をキャッチしてあげればいい。あまりガン患者とか限定的に考える必要はない。マッサージをしてあげられたら、してあげたらいい。私は必要なときは洗髪もしてあげたが、医療側に伝えて了解をしてもらってやったらよい。

失敗の経験と依存のこと

● よけいなことをしたなって思ったこと。おじさんの患者さんだったが元気になってほしいと思ってヒーリングしたとき、その後のヒーリングは避けられた。こちらが思い入れが強いときは良くない。依存について、相談、カウンセリング、医療、ヒーリングなどで、たよりっぱなしとか依存が見られることがある。こういうのはガン患者より普通の病気の人の方が依存が強いと思う。依存があったとき、自分が出来る時はよいが、出来ないとしんどくなる。患者さんとのつきあいは、一緒にいるときは出来るだけ楽しくすること。自分の100%を表現すればよい。自分が楽しくなければ相手も楽しくないし気持ちがよくないはず。

ガンとは闘わないということ

● ガンと闘う人もいるが、私はガンとは闘わないで「なるべく愛してあげようかな」と思ってやってきた。もう一つは私の信念として「なにをやっても必ず治る」と思ってきた。治る方に行くはずと。戦いの意識を持つと闘いのエネルギーがくる。私がガンになったとき選んだのは鮫の軟骨、キャロットジュースと混ぜて飲んだ。こういうのは3ヶ月周期で変化を見ればいい。自分が決めた方法で必ず治ると思うようにした。

● あるとき友人と話していたとき、その人が私にいった。「ガン細胞が進行しようかなと言ってるよ」と。どっちにすると聞かれた事がある。こういう場合、頭では死にたくないと思っているのと心の底で思っているのとは違う。「自分で決めないといけない」とこのとき思った。

● 抗ガン剤を打たなくてはならなくなったとき、抗ガン剤に「ちゃんと効いてね!」、それから「すみやかに残らないで出て行ってね」とお願いして飲んだ。すみやかにとは、効いて貰ってもきつい薬なので早くでて害がこないようにということ。お月様にもお願いした。食べ物をいろいろというより、こういうシンプルな方法でやってきた。こういう状態で半年間、じっくり自分とのつきあいをしてきた。入院中にも毎日鏡をみて「あ!生きている!」と思ったら元気が来るようになる。夜、お月様を見て、「もし私がこの世でやることがあるなら、ガンが完治してからやるからね」と宣言もした。

● 私の場合、ガンと闘わないと決めたこととガンを受け入れたことが良かったのだと思う。ガンも私の細胞だから。よく笑ったこともよかったが、気負わなかったことで力がぬけて楽になったのだと思う。

患者さんからいただくもの

● 1日1日患者をみていると、本人達は解っていないが、命のありがたさを感じる。自分を大事にすると言うことを振り返ることが出来る。自分の存在を感じさせて貰ったこと、自分が癒されてない部分があるが、この病気との関わりの中で癒されていることがいえる。1つ1つの命の大切さとか、時間の大切さ、人の大切さなど気づきがある。病気によって命の大切さに直面する。自分が感じ取ったものを大事にすると、自然に学びが起こっていく。私の場合は、このボランティアがあって今があると思う。

● 患者さんとヒーリングボランティアで接することで、魂の交流が起こる。ガン末期の患者さんの魂はとても清らかで、自分の魂の浄化をして貰っている形になると感じている。これがボランティア活動で得る大切なものなのだろうと感じている。人はみな繋がっているという実感がある。

--以上--